インスリノーマについて

インスリン分泌の異常によって起こる病気

インスリノーマはフェレットがかかる病気の中でも特に頻度が高く、また重症化しやすい腫瘍を伴う病気です。

原因となるのは膵臓にあるランゲルハンス島β細胞いうもので、インスリンを分泌するときに組織に腫瘍ができるようになってしまうことから膵島細胞腫瘍と言われることもあります。

人間の体内で分泌される物質としても有名なインスリンですがこれはフェレットにとっても同じで、体内で分泌されることにより血液中の糖質を体内に取り込む働きをしてくれます。

人もフェレットもものを食べた時には一時的に血糖値が高まりますので、それを沈静化するために多くのインスリンが分泌されていきます。

インスリンが血液中の糖質を分解することでエネルギーが生まれ、数値が低下していくことで少しずつインスリン分泌量がおさまり再び体内の状態が食事前の状態に落ち着きます。

しかしインスリノーマにかかってしまうとこの血糖値に合わせてインスリン分泌量が増えたり減ったりするという機能が損なわれ、常に大量のインスリンが分泌され続けることになります。

その結果血液中の糖質がどんどん減っていくので低血糖の状態が引き起こされ、ぐったりして立ち上がることができなくなってしまったり、トイレに行くことができずに垂れ流したままずっと横になっているというようなことも起こります。

長くこの状態が続くと後に治療をしても後遺症が残ってしまうこともあるので早期発見と早期治療が最も大切です。

インスリノーマの治療

フェレットのインスリノーマが最も多く発症されるのはだいたい4~5歳くらいの間です。

そのため動物病院での定期検査では空腹時に血液検査を行い低血糖状態になっていないかということを調べます。

インスリノーマは悪性新生物と異なり別の部位に転移をしたり範囲が拡大したりするということはないのですが、一度なってしまうと体質的にくせになってしまうことがあり、手術によって病巣を除去しても数年後に再発してしまったりします。

インスリノーマとして診断されたフェレットは患部である腫瘍を外科手術で取り除くか、もしくは投薬により血糖値を正常にするための治療を行います。

患部を除去した場合には一時的にでも回復をすることができますが、投薬治療の場合にはあくまでも対処療法として外部からインスリン分泌量をコントロールすることになります。

症状が軽いうちは発作が起こったときにガムシロップなど糖分をあたえてあげることで回復をすることができます。

しかし継続的に糖分を与えるということは長期的には虫歯やその他の症状を引き起こす可能性があるため、投薬のかわりとして行うのはおすすめできません。

糖分を直接与えるのはあくまでも発作を起こして緊急の事態になってしまっている場合のみとし、与えるときには歯肉にすりこむようにして飲み込ませないようにしましょう。

普段の食生活から予防をしていく

インスリノーマを完全に防ぐことは難しく、これをしたら絶対に大丈夫ということはありません。

ですが人間における糖尿病と同じく、生活習慣が間接的な原因となってしまうことはよくあります。

普段から食事にでんぷん質の高い炭水化物を多く与えてしまっていると起こりやすくなるという研究もあるので、きちんとフェレット用の餌を選んで与えるようにしなければいけません。

フェレットは基本的には肉食なので、タンパク質の高い食事こそが最も健康によい食事内容となります。

重度のインスリノーマになると昏睡や痙攣などわかりやすい症状になりますが、軽いうちは全く症状が出ないため知らずにどんどん進行していくということもよくあります。

繰り返しになるますが必ず定期検診を受け、早めに発見ができるように気をつけてあげてください。

フェレットの脱肛

ペットショップなどで売られているフェレット

見た目は可愛らしいフェレットですが、動物の分類的にはイタチに近く大変強い臭いを持っています。

ペットショップなどで個人向けに販売されているフェレットの個体はそんな強烈な臭いを出さなくするため、あらかじめ臭腺除去という手術をしています。

ペット用フェレットは臭腺除去と避妊去勢手術をしたあとのものが大半であり、極稀にそうした手術をしない自然のままのものを「ノーマルフェレット」として販売することがあります。

ノーマルフェレットはオスはオスらしいがっちりした体格となり、性格もより本能的になります。

しかしながら手術をしていないフェレットは発情期シーズンには攻撃的になったりホルモン分泌の影響から精神的に不安定になることもよくあり、メスの場合にはエストロゲン過剰症といった病気になることがあります。

一方で手術後のフェレットは野性味がなくなりおとなしく飼いやすい個体になります。

ですが手術をしたあとのフェレットは本来あるべき体の機能が強制的に取り払われてしまうため、別の病気を罹患してしまうリスクが高まります。

その病気の一つが「脱肛」で、臭腺除去をしてしまうことにより肛門部分がゆるくなってしまいその結果便通が悪くなってしまったときに脱肛をしてしまうこともあります。

脱肛を起こりにくくするために

手術をしたフェレットの全てが必ず脱肛になるわけではありませんが、それでもノーマルフェレットと比較すればかなりの確率で起こってしまいます。

フェレットの脱肛が起こるのは、食生活や運動不足などによって便秘になってしまし便を出すときに必要以上に力んでしまうためです。

その他にも慣れない環境で大きなストレスを感じてしまい、大暴れをしたり大声でいつまでも鳴き続けてしまっているときにも同じように脱肛が起こりやすくなります。

ですのでフェレットの脱肛を防ぐためにはまず幼いフェレットが不安を感じないようにできるだけ過ごしやすい環境を作ってあげるようにするとともに、いきなり固形物を餌にするのではなく水でふやかしたりペースト状にしたりして消化しやすい状態にして出してあげましょう。

風邪をひきやすい時期やほかの病気にかかっているときも体調を考え、できるだけ柔らかい食事を与えるようにします。

ケージの中で暴れるときには狭い空間にいるということがストレスになっている可能性があるので、脱走に注意しながら部屋のできるだけ広いところで遊ばせてあげるようにします。

他のフェレットが脱肛を悪化させてしまうことも

もう一つ注意をしたいのが同じ室内に複数のフェレットを飼っているという場合です。

フェレット同士のコミュニケーションとしておしりを舐め合うということがあるのですが、すでに脱肛を起こしてしまっているフェレットのおしりを舐めすぎてしまうことで症状が悪化してしまうということがあります。

フェレットの脱肛はよほどひどい場合には動物病院で治療を受けないといけませんが、軽い場合は放っておけば自然になることもよくあります。

脱肛をしたフェレットがまだ症状を軽くしている時には、他のフェレットをあまり近づけないようにして元に戻るまで安静にして過ごしてあげるようにしましょう。

脱肛がひどくなり肛門から腸の一部が逸脱してしまうと粘膜から感染が起こり重大な病気を引き起こしてしまうことにもなります。

動物病院での治療は主に軟膏などの薬の投薬を行います。

どうしても薬では元に戻らない場合には外科手術をして飛び出した部分を中に縫い合わせるという治療がとられます。

ですがいきなりひどく脱肛をするということはあまりありませんので、できるだけ早めに対処をして手術までいかないように治してあげるようにしましょう。

フェレットに噛まれたとき

フェレットを飼いはじめたときによくあるトラブル

フェレットを自宅に迎え入れるときにはまず最初にいくつかのしつけをしていかないといけません。

トイレの場所や寝る場所を教えるとともに、人と一緒に暮らしていく上で必要になるいくつかのルールを教えていくようにします。

そんなしつけをするときに必ずと言ってよいほど経験するのがフェレットからの噛みつきです。

飼いはじめの頃のフェレットは何かとよく人に噛みつくという行動をしてきます。

あまりにも頻繁に咬み付かれるので飼い主さんの方がフェレットに嫌われてしまっていて攻撃を受けているのではないかと思ってしまうこともあります。

ですがフェレットが噛みつく理由は必ずしも敵愾心を抱いているからというわけではありません。

フェレットが噛みつく理由としては、「不安や恐怖」「驚き」「体調がすぐれない」「歯が生え変わっていてかゆい」「空腹を感じている」ということが挙げられます。

特に飼い始めの頃によく見られる噛みつきは「不安や恐怖」を感じているからということがほとんどです。

フェレットだけでなく犬やネコなども子供の時期にはしばしば飼い主に噛み付いたりしてくるものですが、これは新しい環境に慣れずストレスを感じてしまっているがために手近にいる人に対して攻撃的な行動をとってしまうのです。

噛まれた時にはきちんと叱る

子供の時期のフェレットは力も弱いので咬まれたからといってすぐにひどい怪我をしてしまうということはありません。

ですがもし咬み付かれてしまった場合には冷静に引き剥がし、悪いことをしたのだということを教えるために「ダメ!」といった叱る言葉をかけます。

子フェレットに咬み付かれた時には飼い主さんの中には機嫌をとろうとしてお気に入りの餌やおやつを与えてしまうという人もいます。

しかしこれは大きな間違いで、噛み付いたときにおいしい餌をもらえるということを経験してしまうとそのフェレットにとって「飼い主に噛みつく=餌がもらえる」という誤った記憶を植え付けてしまうことになります。

こういう時の動物の学習はかなり早いので、たった一度だけであってもそれをしてしまったために次から大した理由がなくてもどんどん噛みつきにきてしまうということもあります。

咬み付かれたときには首筋を掴んで引っ張ればすぐにフェレットは離れてくれるので、厳しく叱るということを何度も繰り返し教えていきましょう。

ただし厳しく教えるといっても咬み付かれた時に逆に頭をひっぱたいたり鼻先を弾いたりといった暴力を加えることもやってはいけません。

暴力を伴った調教は確かに効果的なこともありますが、それをしてしまうことでフェレットとの信頼関係が崩れペットとしてのパートナーではなく一方的な主従関係として理解してしまいます。

咬まれたらその理由も詳しく考える

それまで比較的おとなしかったフェレットがある日突然咬みついてきたということもよくあります。

このとき考えられるのが怪我や病気などによって体内の調子がおかしく、具合が悪い時に飼い主から触られたくないと思っての行動です。

私達も病気や怪我でひどくつらいときにはあまり他の人に話しかけられたりされたくないものですが、フェレットも同じように感じています。

むしろ言葉を話すことが出来ないフェレットだからこそ、噛みつくという行動により自分の体調の悪さをメッセージとして伝えているというふうにも言えます。

咬みついた後のフェレットは一旦体を引き離し、ケージの中に入れてしばらく放置する「タイムアウト」という方法が有効です。

この間かごの中で具合が悪そうにしていないか、体を丸めてできるだけ動かないようにしていないかといったことを観察してみましょう。

体調が悪いというとき以外にも、お腹がひどく空いていたり遊びをしたくてじゃれて咬みついているということもあります。

普段からよくフェレットのことを観察しておけば、いつもと違った行動をしたときにどうしてそんなことをしたのかということをも予想しやすくなります。