リンパ腫について

体中のリンパ節で発症する重大な病気

リンパ腫は人間の病名としてもよく聞く非常に重大な疾病の一つです。

私達人間の体内にはリンパ管というリンパ液が流れる管が全身に入っているわけですが、その内部では体が病気にかからないように免疫力を高めるさまざまな機能が行われています。

リンパ液は血液のように筋肉がポンプのように動いて流れるわけではなく、骨格筋の収縮が起こることにより全身に運ばれていきます。

このとき骨格筋が集まる中継点となっているのが「リンパ節」であり、リンパ腫はそうしたリンパ節で起こることがよくあります。

フェレットのリンパ節は頸部や腋窩、縦隔(肺と肺の間)、鼠径部といったところが主な場所です。

またリンパ液が多く流れる臓器である脾臓や肝臓、腸管といった場所、他に骨髄や肺、腎臓といったリンパ組織が多く集まる場所も同じく発症例が多くなります。

リンパ腫は比較的若いフェレットに起こる病気となっており、早い個体では生後4ヶ月くらいから発症してしまうこともあります。

逆にかなり高齢になってから発症する例もあり、生涯を通して気をつけていかないといけない病気です。

リンパ腫の症状

リンパ腫にもいくつかの種類があり、リンパ肉腫やリンパ性白血病など症状によっていくつかに治療方法が分類されていきます。

これは体のどの部分にリンパ腫ができたかということが大きく関係しており、病気細胞が増殖することにより発見の難易度やその後の症状が変化します。

リンパ腫全体に共通している症状としては、元気なくなりあまり動かなくなったり、食欲がなくなりほとんどものを食べなくなってしまうということがあります。

出血や嘔吐といった直接的な症状ではなくなんとなくいつもと様子が違うといったことが初期症状となるので、一般の飼い主さんが自力で早期発見をするのはまず無理と言ってよいでしょう。

病気ではないかと気がつくようになるのはリンパ腫がかなり大きくなってからで、腫瘍のできた箇所が大きく膨らんでくるので明らかに何かがおかしいということがわかってきます。

よくある例としては体表のリンパ節が大きく腫れて肩や脇の下、顎などといった箇所がしこり状になり形が変わります。

内臓部分のリンパ腫はその部分の臓器が正常に機能しなくなるので、下痢や血便、嘔吐といったことが起こるようになったりします。

ひどくなると肺の近くが大きく腫れ上がるので呼吸器が全体的に圧迫され、呼吸困難になって意識を失うこともあります。

若い時期に発症してしまうと腫瘍の拡大もかなり早いスピードで行われるので、数日のうちにあっという間に具合が悪くなりそのまま亡くなるケースもあります。

1歳を過ぎてからの発症になるとやや進行スピードは遅くなるため、少しずつ悪くなっていくというふうに見えます。

リンパ腫の治療と予防

リンパ腫は完全に予防をすることができない病気であるので、できるだけ早期に発見して治療をするということが何よりも大切となります。

リンパ腫が発見されたフェレットは抗癌剤による化学治療を受けることとなりますが、これはかなり肉体に負担をかけてしまうものなので、治療をするかどうかについてはよく獣医師と相談をして決めた方がよいでしょう。

リンパ腫のやっかいなところはリンパ液が全身を巡っていることから、仮に一箇所を治療してもその間にリンパ液が他の部分に運ばれて転移を起こすことがよくあるということです。

ですので一回リンパ腫となってしまってからは一生病気と付き合うことになってしまうなんていうこともよくあります。

そうした転移の可能性の高さはよく知られているので、もし大きなリンパ腫が見つかっても外科手術で取り除くということは今はあまりなされません。

化学療法として投薬などをしてゆき、体内で自然に症状が軽くなっていくのを待つことになります。

インスリノーマについて

インスリン分泌の異常によって起こる病気

インスリノーマはフェレットがかかる病気の中でも特に頻度が高く、また重症化しやすい腫瘍を伴う病気です。

原因となるのは膵臓にあるランゲルハンス島β細胞いうもので、インスリンを分泌するときに組織に腫瘍ができるようになってしまうことから膵島細胞腫瘍と言われることもあります。

人間の体内で分泌される物質としても有名なインスリンですがこれはフェレットにとっても同じで、体内で分泌されることにより血液中の糖質を体内に取り込む働きをしてくれます。

人もフェレットもものを食べた時には一時的に血糖値が高まりますので、それを沈静化するために多くのインスリンが分泌されていきます。

インスリンが血液中の糖質を分解することでエネルギーが生まれ、数値が低下していくことで少しずつインスリン分泌量がおさまり再び体内の状態が食事前の状態に落ち着きます。

しかしインスリノーマにかかってしまうとこの血糖値に合わせてインスリン分泌量が増えたり減ったりするという機能が損なわれ、常に大量のインスリンが分泌され続けることになります。

その結果血液中の糖質がどんどん減っていくので低血糖の状態が引き起こされ、ぐったりして立ち上がることができなくなってしまったり、トイレに行くことができずに垂れ流したままずっと横になっているというようなことも起こります。

長くこの状態が続くと後に治療をしても後遺症が残ってしまうこともあるので早期発見と早期治療が最も大切です。

インスリノーマの治療

フェレットのインスリノーマが最も多く発症されるのはだいたい4~5歳くらいの間です。

そのため動物病院での定期検査では空腹時に血液検査を行い低血糖状態になっていないかということを調べます。

インスリノーマは悪性新生物と異なり別の部位に転移をしたり範囲が拡大したりするということはないのですが、一度なってしまうと体質的にくせになってしまうことがあり、手術によって病巣を除去しても数年後に再発してしまったりします。

インスリノーマとして診断されたフェレットは患部である腫瘍を外科手術で取り除くか、もしくは投薬により血糖値を正常にするための治療を行います。

患部を除去した場合には一時的にでも回復をすることができますが、投薬治療の場合にはあくまでも対処療法として外部からインスリン分泌量をコントロールすることになります。

症状が軽いうちは発作が起こったときにガムシロップなど糖分をあたえてあげることで回復をすることができます。

しかし継続的に糖分を与えるということは長期的には虫歯やその他の症状を引き起こす可能性があるため、投薬のかわりとして行うのはおすすめできません。

糖分を直接与えるのはあくまでも発作を起こして緊急の事態になってしまっている場合のみとし、与えるときには歯肉にすりこむようにして飲み込ませないようにしましょう。

普段の食生活から予防をしていく

インスリノーマを完全に防ぐことは難しく、これをしたら絶対に大丈夫ということはありません。

ですが人間における糖尿病と同じく、生活習慣が間接的な原因となってしまうことはよくあります。

普段から食事にでんぷん質の高い炭水化物を多く与えてしまっていると起こりやすくなるという研究もあるので、きちんとフェレット用の餌を選んで与えるようにしなければいけません。

フェレットは基本的には肉食なので、タンパク質の高い食事こそが最も健康によい食事内容となります。

重度のインスリノーマになると昏睡や痙攣などわかりやすい症状になりますが、軽いうちは全く症状が出ないため知らずにどんどん進行していくということもよくあります。

繰り返しになるますが必ず定期検診を受け、早めに発見ができるように気をつけてあげてください。

フェレットの脱肛

ペットショップなどで売られているフェレット

見た目は可愛らしいフェレットですが、動物の分類的にはイタチに近く大変強い臭いを持っています。

ペットショップなどで個人向けに販売されているフェレットの個体はそんな強烈な臭いを出さなくするため、あらかじめ臭腺除去という手術をしています。

ペット用フェレットは臭腺除去と避妊去勢手術をしたあとのものが大半であり、極稀にそうした手術をしない自然のままのものを「ノーマルフェレット」として販売することがあります。

ノーマルフェレットはオスはオスらしいがっちりした体格となり、性格もより本能的になります。

しかしながら手術をしていないフェレットは発情期シーズンには攻撃的になったりホルモン分泌の影響から精神的に不安定になることもよくあり、メスの場合にはエストロゲン過剰症といった病気になることがあります。

一方で手術後のフェレットは野性味がなくなりおとなしく飼いやすい個体になります。

ですが手術をしたあとのフェレットは本来あるべき体の機能が強制的に取り払われてしまうため、別の病気を罹患してしまうリスクが高まります。

その病気の一つが「脱肛」で、臭腺除去をしてしまうことにより肛門部分がゆるくなってしまいその結果便通が悪くなってしまったときに脱肛をしてしまうこともあります。

脱肛を起こりにくくするために

手術をしたフェレットの全てが必ず脱肛になるわけではありませんが、それでもノーマルフェレットと比較すればかなりの確率で起こってしまいます。

フェレットの脱肛が起こるのは、食生活や運動不足などによって便秘になってしまし便を出すときに必要以上に力んでしまうためです。

その他にも慣れない環境で大きなストレスを感じてしまい、大暴れをしたり大声でいつまでも鳴き続けてしまっているときにも同じように脱肛が起こりやすくなります。

ですのでフェレットの脱肛を防ぐためにはまず幼いフェレットが不安を感じないようにできるだけ過ごしやすい環境を作ってあげるようにするとともに、いきなり固形物を餌にするのではなく水でふやかしたりペースト状にしたりして消化しやすい状態にして出してあげましょう。

風邪をひきやすい時期やほかの病気にかかっているときも体調を考え、できるだけ柔らかい食事を与えるようにします。

ケージの中で暴れるときには狭い空間にいるということがストレスになっている可能性があるので、脱走に注意しながら部屋のできるだけ広いところで遊ばせてあげるようにします。

他のフェレットが脱肛を悪化させてしまうことも

もう一つ注意をしたいのが同じ室内に複数のフェレットを飼っているという場合です。

フェレット同士のコミュニケーションとしておしりを舐め合うということがあるのですが、すでに脱肛を起こしてしまっているフェレットのおしりを舐めすぎてしまうことで症状が悪化してしまうということがあります。

フェレットの脱肛はよほどひどい場合には動物病院で治療を受けないといけませんが、軽い場合は放っておけば自然になることもよくあります。

脱肛をしたフェレットがまだ症状を軽くしている時には、他のフェレットをあまり近づけないようにして元に戻るまで安静にして過ごしてあげるようにしましょう。

脱肛がひどくなり肛門から腸の一部が逸脱してしまうと粘膜から感染が起こり重大な病気を引き起こしてしまうことにもなります。

動物病院での治療は主に軟膏などの薬の投薬を行います。

どうしても薬では元に戻らない場合には外科手術をして飛び出した部分を中に縫い合わせるという治療がとられます。

ですがいきなりひどく脱肛をするということはあまりありませんので、できるだけ早めに対処をして手術までいかないように治してあげるようにしましょう。